県内の某工場にて、スレート屋根の改修工事を行いました。
老朽化による劣化とゲリラ豪雨への対策として、
ミツイバウが三重県代理店を務める綿半ソリューション株式会社様の特許技術、
「WKカバー工法」をご提案しました。
施工前
施工後
今回は損傷の大きな片側の屋根のみの改修でしたので、左右を見比べるとリフォームの変化が一目でわかります。
特許技術「バイパス樋」
今回は綿半ソリューション株式会社様の「バイパス樋」を使用しました。
雨漏り対策として、屋根の強化はもちろんのこと、工場や倉庫、施設などの大きな面積を持つ屋根においては、
雨樋への対策にも特に気を遣う必要があります。
本来、一般的な雨樋の排水能力は平均雨量を想定して設計されており、
台風やゲリラ豪雨などの一時的な降水は考慮されていないことがほとんどです。
突発的な豪雨により、広大な屋根から一か所の雨樋を目掛けて集中的に雨水が流れ込むことで、
樋や金具に大きな負荷を与えます。
雨樋が破損すると、処理できなくなった雨水は建物に浸透したり、壁を伝って建物内に入り込むことで、
漏水やカビ、そして躯体の腐食といった被害を与えます。
一度壊れてしまった雨樋は、通常の雨にも対応できなくなり、
以降は雨天のたびに加速度的に建物全体の寿命を削っていきます。
バイパス樋は、屋根の中央を横断するように新たな雨樋を設け、
本来の雨樋が受け持つ雨量を分散させることでオーバーフローに対応する特許技術です。
既存のスレート屋根の上からカバー工法で改修し、その上からさらに樋を重ねて施工します。
今回はルーフファンなどの構造物を避けるため、段階を設けながら雨水を誘導しています。
さらにパラペット(屋根のふちから立ち上がっている壁の部分)があるため、これを貫通して竪樋に排水しました。
撮影の直前にもゲリラ豪雨がありましたが、早速その機能を発揮していたようです。
操業を止めない
オーバーフロー対策の最適解として
今回のように谷樋を持つ建物は、他の樋に比べてその特性上オーバーフローが発生しやすく
また谷樋からの漏水は大規模工事となるケースが多々あります。
建物の外側に設けられる一般的な雨樋と異なり、建物の中央付近に備え付けられた谷樋は、
排水能力を上げるための竪樋を増設することが構造上困難です。
谷樋のオーバーフロー対策は、建物の内側の屋根を這わせて排水するか、
新たに建物の中に排水溝を掘って竪樋を設けるといった方法が基本になりますが、
効果が限定的だったり、費用が高額になるなどに加え、
ほとんどの場合は工事のために一定期間操業を停止する必要がでてきます。
バイパス樋は屋根上だけで作業が完結するため、
屋内に足場を組んだり、高所作業車を乗り入れたりすることもありません。
また、排水溝を新たに掘る必要もないため、機材の移動や復旧後の再調整などの
煩雑な作業もなく、通常通り操業しながらの施工が可能です。
谷樋の漏水でお困りの方は、ミツイバウ・マテリアルまでご相談下さい。